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映画レヴュウ。感染した人間をゾンビ化するウィルスが猛威をふるってから28週後のロンドンを舞台に、再感染の危機に直面した人々と家族の人間ドラマ。
神になりかわって、人は理性によって自らをコントロールすることができる、というのが近代以降の理性信仰である。
しかし、理性的なはずの人類は、20世紀に入り、相次ぐ世界大戦や環境破壊などによって、同胞を殺し、自然を破壊しつくしてきた。
理性信仰はいまや地に堕ちた。理性によって人類は正しい方向へ進歩していく、という楽観論は、もはや幻想にすぎない。
「28週後・・」には救いがない。地獄絵図。絶望的な状況。家族が家族を裏切る。軍は人々を皆殺しにする。それでも感染はくい止めることができない。そうしたサマを描くことで、「神なき現代」を生きる現代人の実相を、本質的な部分で見事に写し取っている作品だとオイラは思う。
この映画は、あまりにもむごたらしく悲痛な状況を、これでもかこれでもかと綴っていく。だが、オイラはそれを正視できるほどタフではないことに途中で気づく。暗澹たる気分になりながら、オイラは映画館を出た。この映画の状況と比べたら、戦争の方がまだ理性的なのかも知れぬ。
この映画は、ホラー映画のジャンルに入る。残酷で刺激の強い描写も多い。だが、それだけではなく、現代社会に対する高い批評性を備えていると僕は思う。
ゾンビが蔓延するという状況は、現代社会がかかえている問題状況をあぶりだすには格好の仕掛けである。その意味で「ゾンビ」を発見したジョージ・A・ロメロは偉大だった。「28週後・・・」は、その系譜につながる作品である。だが、あまりにラジカルで厳しい。厳しすぎる。そうした厳しさを僕は受け止めかねた。常にラジカルであろうとす僕にとっては、自分のヘタレぶりがつくづくイヤになる。
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