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「インディ・ジョーンズ」というのは、単身者の物語なんだな。
彼は結婚もせずに冒険三昧。しかし、考古学者のインディを演じているハリソン・フォードは、実は齢66歳。普通ならとっくに引退している。冒険なんて、いい年をしたジジイが体張ってやることじゃない、オレは何してるんだ、などと思わないと、さすがにおかしい年齢だろう。ジジイになっても、老体にムチうって頑張っている4作目のインディの姿に、僕は最初とまどいを覚えたのだった。
しかし、中盤から、監督スピルバーグの言いたいことが少しずつ見えてくる。物語は、南米の宇宙人が作った古代都市に、宇宙人の骸骨を「戻しに行く」。その冒険の過程で、かつての恋人や息子が、彼の回りに「戻って」くる。つまり、この映画、クラシカルな冒険活劇の装いを持ちながら、実は「家族再生の物語」なのだ。インディという、冒険でしか自分のアイデンティティを確認することができない珍種の男の元へ、冒険好きでタフな珍種の元恋人と、ふたりの血をひいた貴種の息子が「戻って」くる物語なのだ。餅は餅屋。冒険家には冒険家。収まるべき鞘におさまる。彼らは、極めて特殊な家族だが、この家族でなら、普通の家族の枠に収まりきらなかったインディも、やっと幸せになれることだろう。
だから、この映画のラストシーンは、インディの結婚式なのである。
スピルバーグは、父子関係、家族関係をテーマに据えた作品をたくさん作っている。「インディ4」も例外ではない。
「インディ・ジョーンズ」前3作は、ウェルメイドで痛快無比の作品だった。しかし、スピルバーグは、前3作のときのような、ひたすら面白いだけのエンタテインメントを撮ることには、もうそれほど興味がないように見える。そうした姿勢が、娯楽作品を求める人たちには、凡庸だと映るのかも知れない。
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